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東南アジアのインスタ運用をする前に!日本人には信じ難い、東南アジアにおけるインスタグラムの傾向とは?

東南アジアのインスタ運用をする前に!日本人には信じ難い、東南アジアにおけるインスタグラムの傾向とは?
この記事では、東南アジアでインスタ運用をする際に知っておきたいことや知らないと損する内容について、実際に東南アジアに位置するインドネシアで在住7年目となったマーケターが、日本と東南アジアでのデジタルマーケティングの経験を元に、ご紹介していきます。
そもそもインスタグラムは

Instagramは 2010年10月 に米国でローンチし、その後日本でも広がりました。当初は「写真にフィルターをかけてシェアできるアプリ」として、おしゃれな「正方形」を切り取る感覚が新しく、注目を集めました。
2012年にはFacebook(現Meta)が約10億ドルで買収し、世界的な普及が一気に加速。現在では、若者の日常の一部となりました。
企業のPRなどにも使われたり、有効なブランディングであることから「企業アカウント」も増えました。
最近では、ある一定の条件に達した場合にアカウントに支払いがされるようになったことから「SNSで稼げる」という認識が広がり、「インプ稼ぎ」という、お金のために少しでもより閲覧されるアカウントにしたい、という「運用アカウント」も増えました。
ただ、賢いユーザーは「釣りアカウント」「AIアカウント」に対して敏感であること、またMeta社が量産コンテンツへのチェックを強化しているため、企業やインフルエンサーのSNS運用では、丁寧なクリエイティブが重要です。
東南アジアでの普及は日本と同様に、2013〜2015年ごろに利用者が増加しています。
日本と異なる、東南アジアでのインスタグラム利用例
日本と東南アジアでは、インスタグラムお利用にどのような違いがあるのでしょうか?詳しく解説していきいます。
FacebookとInstagramの一体運用が日本よりも活発

東南アジアでは、Facebook上でも気軽にカジュアルな投稿がされており、若いユーザーも積極的に活用しています。
最近では、Facebookの投稿でも収益化が可能になったことにより、インフルエンサーなどはInstagramやTiktokからの横展開としてFacebookを活用しています。
日本ではFacebookユーザーの高齢化が進んでいると言われていますが、東南アジアでは「若い人は使わない」という雰囲気はなく、老若男女に使われています。
その影響で、特にインドネシアやフィリピン、タイなどではInstagramとFacebookはほぼ一体運用が主流です。
インスタグラムへの投稿時に、Facebookへの投稿欄にチェックマークをつけて同時に投稿するという動きは多く行われます。
そして、それはビジネスアカウントでも同様であり、Facebookからの問い合わせも一定数得ることができます。
なぜかというと、「Facebookで買い物をする・サービスを予約する」という文化があるからです。
日本ではあまり身近ではないかもしれませんが、東南アジアではFacebook上のマーケットプレイスを活用した中古品の販売やビジネスのPRが活発であり、Facebookグループ(中古品売買のグループや、特定の趣味などにまつわるグループ)を活用した中古品売買やビジネスも活発です。
雑貨や家具、電子機器などに限らず、家や車などの賃貸や売買もでき、家政婦さんを探すこともできます。
東南アジアのユーザーには、そういった「Facebookで問い合わせたり買い物をする」という文化があるので、ビジネスアカウントのFacebook上の投稿からの反響が得られるため、インスタグラムとFacebookの一体運用が主流となっていることは企業にとっては良い影響をもたらしています。
流行りの「音源」の重要度
東南アジアでは トレンドのBGMや音源を使うことが拡散のカギとなります。
「流行りの音源を使うことでバズりやすくなる」「流行の音源を使いたい」とユーザーが意識しているため、発見タブをみるような感覚で、「流行りの音源でどんな投稿がされているのか」をチェックするというユーザー行動がみられます。
音源をチェックしている中で、上位にあるコンテンツがチェックされたり、見本として良いコンテンツが保存される、といった動線があります。
・フォロワーにタイムライン上で見てもらう
・発見タブでおすすめされた場合に見てもらう
・検索(ワード検索、ハッシュタグ含む)に引っかかることで見てもらう
本来であれば、投稿を見てもらうには以下のいずれかによって投稿を見てもらう機会がありますが、東南アジアだとこれに加えて以下の動きがあるということです。
・流行りの音源で皆がどんな投稿をしているかチェックした際に見てもらう
また、音源についてはTikTok文化とシームレスに行き来しており、「音から入って動画を作る」という発想が日本と比較するとより強いです。
コメント文化の熱量が日本と比べ、東南アジアは高い
日本のインスタグラムは「いいね中心・コメント少なめ」の傾向がありますが、東南アジアはコメント欄が盛り上がりやすいです。
海外と比較すると、日本では匿名性がないと自由に意見交換がしずらい雰囲気がありますが、東南アジアではコメントをするという行動があまり深い意味を持たないので、気軽にコメントが交わされます。
これはインスタグラムだけではなく、TiktokやYoutubeなどにもいえる傾向です。
わざわざ匿名アカウントを用意するでもなく、バズっている投稿やローカルニュースアカウントでも意見交換がされる傾向があります。
特にインドネシアでは「共感・お祈り・リアクション」を表すコメントが大量につきやすく、エンゲージメント率は日本の数倍にもなります。また、あまり意味が深くない、メッセージ性もほぼない内容のコメントも活発です。
背景としては、普段からあまり意味が深くないメッセージのやり取りが気軽に日常的にされていることが影響しています。

例えば、日本ではLINEグループなのでメッセージを連投すると「必要以上に通知が鳴ると迷惑かも・・」ということで多少は控える、といった文化があると思います。
しかし、LINEのように使用されるWhatsappのグループチャットなどが盛り上がっていても誰も迷惑だとは思いませんし、暇な誰かが必ずリアクションするという文化なので、メッセージを送る(≒コメントをする)行動が極めてハードルが低いのだといえます。
日本と大きく異なる点
次に、数値分析などで役立つ部分について紹介していきます。なかなか数値には出てこない東南アジアの生活を肌で感じ、理解しないと知ることができない部分です。
ユーザー属性に関するインサイトの信ぴょう性に欠けること
インサイトなどから確認できるユーザー属性は、信用できません。なぜなら、インサイトで見れる数字と、実際にスマホの画面の奥にいるユーザーが異なるケースが多いからです。
実例を挙げて解説すると、女性用の生理管理アプリのInstagramアカウントをインドネシアでローンチしたところ、フォロワー数が1万人に近いた頃のユーザー属性の6割が男性だったことがありました。この数字に、信ぴょう性がないということです。
「インドネシアでは男性も生理に興味があるユーザーが多い」と読み解くのは間違いで、6割の女性のほとんどが「一定の経済力がなく、旦那のスマホを使ってインスタを見ている」状況であることが予測できます。
東南アジア各国は、首都や繁華街などの反映は著しいものの、田舎エリアはまだまだ昔ながらの生活をしている場合も多く、スマホは「一人一台」ではなく「一家に一台」である場合も。
もしくは、誰かが以前使用していたスマホを譲りうけて使用することが多く、そのスマホのリセットがちゃんとされておらず、スマホ上の設定が男性のまま、女性が使用するといったケースも多いです。
つまり、今回の実例では、インドネシアの女性ユーザーは以下に振り分けられるということです。

・一定の経済力があり、個人のスマホを所持している女性ユーザー
・個人のスマホがなく、旦那のスマホを使っている女性ユーザー(SNS上は男性アカウント)
・新品を購入できず、譲り受けたスマホを使用している女性ユーザー(SNS上のアカウントはどちらもあり得るが男性アカウント認識される割合の方が多少高いといえる)
つまり、広告のセグメント設定で女性に限定すると取り逃がしてしまうユーザーが出てくるということでもあります。
数値の裏付けをとることは極めて難しいですが、「都市部は通常通りと仮定、田舎エリアは工夫してセグメントを設定する」など、エリアに応じて細かく設定を分けることが成功の鍵となります。
SNSのアクティブ時間が日本とは逆
日本でのインスタグラムユーザーのアクティブ時間は以下のような特徴があります。
・一週間のうち週末が一番ユーザーがアクティブになる
・平日の日中はアクティブ数が少ないが、ランチタイムは少しアクティブになる
・平日の仕事後となる夕方以降はアクティブになる
多くの人が、日中は仕事や学校があり忙しくしているためです。
東南アジアの都市部では、日本と似たような生活リズムとなるので日本の傾向とほぼ似た結果が得られやすいです。例えば、オフィス街などで仕事をしている層は、日本と同様の傾向が見られます。
一方で、全く逆の行動をするユーザーも東南アジアでは多く見られます。
・仕事中の暇つぶしにスマホでSNSをチェックするため、平日日中がアクティブになる
・仕事後の夜や、週末はファミリータイムなのでアクティブが下がる
日本では考えられないと思いますが、東南アジアを旅行する機会があったら、ショップやレストランを見てみてください。
特にローカル感があるお店や個人店では、かなりの高確率でスマホで暇つぶしをしている風景がそこにはあります。

つまり、投稿に対してより良い反応を得たい場合に設定する「投稿時間」は、狙っているユーザーに合わせて設定することが良いと言えます。
例えば、午前中に投稿しておくほうが平日日中に暇している人から見てもらいやすいですし、仕事をしている人に見てもらいたい内容であれば平日夕方ごろか、週末を狙って投稿する方が良いといえます。
まとめ:東南アジア進出をお考えなら
いかがでしたでしょうか?今回は日本人の目線で、東南アジアのインスタグラムにおける異なる傾向についてご紹介しました。
インスタグラムに限らず、SNSのグローバル化では「ローカライズ」が大きなキーポイントになります。
オリナスは豊富な実績と知見をもとに、安心できるサポートを提供しています。興味がある方はお気軽に問い合わせください。