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新日本海フェリー株式会社様のお客様の声

【ホテルブランディング戦略】ブランド設計〜クリエイティブ制作まで| ニセコ宿泊施設の開業に向けて

※掲載企業様やご担当者様への直接の問い合わせ、
営業のお電話はお控えください。

スーツを着て微笑む2人の中年男性

こんにちは、オリナスお客様事例インタビューチームです。

今回は、新日本海フェリー株式会社 代表取締役の入谷様(写真右)、経営企画次長の中山様(写真左)にインタビューさせていただきました。新日本海フェリー様がニセコで展開する宿泊施設「ニセコ樺山の里 楽 水山」の開業に向けたコンセプト設計、Webサイト制作、ロゴマーク作成、パンフレット作成など様々なブランディングご支援をさせて頂いており、これまで感じていらっしゃった課題や新事業立ち上げへの想い、オリナスにご依頼いただいた理由まで率直に伺いました!

公式Webサイト: 新日本海フェリー株式会社
運営宿泊施設:楽 水山

ホテルブランディングへの挑戦|スピード感あふれるオリナスの企業風土に親和性を感じた

オリナス:入谷社長、本日はお時間いただきありがとうございます。まず、御社の事業内容を改めてご説明いただけますでしょうか。 

入谷:弊社「新日本海フェリー」は1970年に関西と北海道の間に航路を開設して、現在は4航路で8隻運航しています。合わせて1998年からはホテルの経営をしております。1996年にフェリーの航海スケジュールを見直して高速フェリーを投入した際、フェリーの小樽着が夜9時頃だったのです。そのとき小樽には宿泊するのに十分な数のホテルがなく、フェリーのお客様が夜遅くに着いて泊まれるように「オーセントホテル小樽」を建てたのがホテル事業の始まりです。

今回御社にお願いしたのはニセコに2020年に開業した宿泊施設「ニセコ樺山の里 楽 水山」のコンセプトを作り上げる部分です。ここ10年ほどでニセコは、外国人観光客を主体として非常に活況を呈してきました。ビジネスチャンスだと思い、宿泊施設を展開することにしたのです。

楽水山 サイト

オリナス:元々は新日本海フェリー様のウェブサイト制作案件でご提案させて頂いたところ、「楽 水山」の宿泊施設立ち上げについてのお話もいただきました。弊社にお任せいただくことになった経緯はどのようなものだったのでしょうか。

入谷:御社を知人に紹介していただきました。非常に若い企業で活発に動いておられて、成長している会社だと聞きまして、新しい宿泊施設の立ち上げにはちょうどいいのかなと。

今回の「楽 水山」は、富裕層を対象にした小規模でコンパクトな温泉旅館です。コンセプトやターゲットが従来の宿泊施設とは違い、我々にとっても今まで経験のないものでした。御社は若い人の感覚で活発に動いておられ、柔軟でフットワークも良さそうでした。国際的なスタッフの方がおられるのも我々の目指しているところと合っていると感じたので、お願いすることにしました。

センスが良く、斬新なビジュアルを提案いただいたことも起因になりましたね。この事業は新しい分野への挑戦だったので、外からいろいろな知恵を取り入れて作りたかったのです。

オリナスマーケティングでいうポジショニングを「富裕層向けの小規模な宿」にしたのは、どのような理由なのでしょうか。

入谷:旅行の縮小化と、付加価値のある旅が求められるようになったことが大きいです。

フェリーの分野で長年見てきて、以前は客層もいろいろでしたが最近は団体旅行少なくなりました。また、飛行機が非常に便利になって価格も下がりました。フェリーはどうしても時間がかかるので、むしろその時間をうまく使って、いわゆる船旅として間口を拡げていきたいなと色々やってきた結果、だんだん時間的にも金銭的にも比較的余裕のあるお客様が増えてきました。世の中の流れとして旅行全体に付加価値が求められているとも感じます。そこで、今回の宿は小規模で付加価値のある宿にコンセプトを絞りました。

楽水山 風景

想いをホテルのロゴに表現したブランディング戦略

オリナス:入谷社長がご自身で命名された「楽 水山」に込めた思いをお伺いできますか。 

入谷:ネーミングはいろいろ検討していただいて決定しました。切り口は「里山」です。

以前は豪華で都会的な施設やサービスが主流だったレジャー・観光分野ですが、最近は傾向が変わってきています。むしろ、日頃の延長線にある都会的なものとは違った空間や宿泊施設が求められている。ですから、ほとんどの日本人が失ってしまった、時代を感じる心象風景や、非都会的なものを提供したほうがいいんじゃないかと考え、里山をテーマにしました。

中国の古典にも「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」という言葉があります。喧騒を離れて自然を楽しんでほしい。安心できる自然の中で心のゆとりを取り戻してほしい。ひいては静かな空間と時間の中で自分を取り戻してほしい。そういうものを提供できればという思いを込めて、「楽 水山」と名付けました。 

オリナス:非常に素敵な名前になりましたね。ロゴマークもイメージに合っています。

入谷:このロゴマーク、非常に気に入っています。アイヌの民族衣装から着想を得て、家紋のようでもある。ビジュアル的に斬新で、モダンさも感じられ、海外のお客様にも好感を持っていただけると思います。 

楽水山 ロゴ

字体は、書道家の先生がオリジナルで書いてくださいました。隷書体がいいかなと思いインターネットで探している中で見つけて、使用するうえでご了解をいただこうと連絡をしたのです。すると非常に気さくな方で、「オリジナルを残しますよ」と何回も書いてくださいました。お陰でとても収まりがよく、格式ばらない、くだけた雰囲気の中に味のある書体になりました。

オリナス:まさに日本人の原風景というか、安心させるような字体ですね。 

入谷:元々は中国の書体ですが、それを日本風に噛み砕いて書いてくださったのがよかったです。

コンセプト通りに落とし込むクリエイティブを評価

オリナス:開業までの2年間ご一緒させていただきましたが、弊社に対する率直なご感想を伺えますでしょうか。 

入谷:ビジュアル面の感覚が良く、ホテルのコンセプトを深掘りして、いろんな提案をいただけたことが良かったです。

先ほどのロゴと合わせて、コンセプト作りをまとめていくなかで、ホテルブランドカラーのご提案もいただきました。元々、 ニセコという土地の山と川をイメージにも繋げていきたいという思いを持っていました。水と山ということで、一般的にブランドカラーは1色のところを、2色のバイカラーにしてうまく表現していただきました。この落ち着いたカラーリングは非常に良かったです。

いわゆる里山らしいネイティブさを出すか。あるいは説得力のある、洗練された表現をどの辺まで取り入れるか。行き過ぎるととがったものにはなるけれど、里山らしさがなくなってしまいます。そのバランスは難しかったですが、「楽 水山」にかけた思いと合うようにカラーリングやホームページなどでうまく表現していただきました。 

オリナス:ありがとうございます。逆に、改善点や気になった点はありましたでしょうか。

入谷:あえて言えば、コピーライティングです。力が入りすぎてちょっと浮いてしまうという面がありました。文学的な表現にこだわってしまうと思うのですが、難しい言葉が出てきたり背伸びしたりするのではなく、一般のお客様にどう伝わるかが大事なので。お客様に伝わるかどうかという視点でだいぶ直させていただきました。

オリナス:ありがとうございます。精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

ようやくコロナも落ち着いてきたので、多くの方に「楽 水山」に訪れていただきたいですね。 入谷社長、本日はどうもありがとうございました。

さいごに

「富裕層向けの小規模な宿」を立ち上げるというブランディング構想段階から開業まで約2年。ニセコという外国人観光客主力のマーケットを理解するところから始まり、入谷社長はじめ関係者の皆様と毎月打ち合わせを重ね、想いのこもった素晴らしい宿になったと思います。

弊社としても、ポジショニングを意識しながら、ゼロから立ち上げるという大きなプロジェクトにコンセプト設計やクリエイティブという重要なポジションで携わらせていただけた経験は大変学びが多く、貴重なものとなりました。

ニセコのパウダースノーは上質な雪質で世界中のスキーヤーを魅了しており、2030年には北海道新幹線の札幌延伸もあり、今後ますますマーケットは拡大していくと想定されます。

「ニセコ樺山の里 楽 水山」がニセコを代表する旅館となることを願い、引き続き弊社でお役に立てる領域は全力でサポートさせていただきたいと思います。

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