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日本メーカー/ブランドの海外展開を変える「クリエイターマーケティング」とは?
1. クリエイターエコノミーとは
クリエイターエコノミーとは、YouTuber、インスタグラマー、TikTokerなどの個人クリエイターが、自らのコンテンツ制作力と影響力を活かして経済活動を行う新しい経済圏のことです。従来の広告代理店やマスメディアを介さず、クリエイターと企業、そして消費者が直接つながることで、より効率的で効果的なマーケティングが可能になっています。
世界規模で見ると、クリエイターエコノミーの市場規模は約10兆円を超えるとも言われており、特に海外市場では急速に拡大しています。日本でも徐々に認知度が高まっていますが、海外展開の文脈でこの仕組みを戦略的に活用している企業はまだ少数派です。
詳しいクリエイターエコノミーの市場背景とその成功事例について、前回の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
2. 従来の海外展開の限界と新しいアプローチ
日本メーカー/ブランドが海外市場に進出する際、これまでは現地に支社を設立または販売代理店を介し、大規模な広告キャンペーンを展開するという手法が主流でした。しかし、この従来型のアプローチには大きな課題があります。
まず、市場調査、拠点設立、人材確保、在庫管理、そして広告費用など初期投資が膨大になります。これらすべてを合わせると、数千万円から億単位の投資が必要になることも珍しくなく、企業にとって、この資金的ハードルは極めて高くなります。
そして文化や消費者の嗜好の違いを正確に把握することも難しく、日本で成功した製品が、そのまま海外で受け入れられるとは限りません。現地の言語、習慣、価値観を理解し商品設計やパッケージの変更などさらに投資が必要になる場合もあります。
加えてSNSマーケティングの観点では、日本と比べると国によってはSNS自体の使われ方やユーザーの行動パターンに大きな違いがあり、プロモーションを実施する際は事前に理解しておくべきいくつかのポイントがあります。たとえば東南アジアのInstagram事情は、
- FacebookとInstagramを一体運用している企業が多い
- コメント文化の熱量が高く、エンゲージメント率が数倍に上がる
- ユーザーは週末より平日日中がアクティブになりやすい?!
など、日本での運用とは考えられないポイントが多くあります。
実際にインドネシア在住7年の弊社マーケターが、現地からリアルなInstagramの使い方について解説していますので、ぜひご参考ください。
3. クリエイターマーケティングが提供する新しい解決策
クリエイターエコノミーを活用したマーケティング手法、つまり「クリエイターマーケティング」を導入すれば、これらの課題を大幅に軽減できます。
- 圧倒的な低リスク・低コストでの市場参入が可能
現地のクリエイターと提携すれば、支社設立や大規模な広告投資なしに、ターゲット市場にリーチでき、初期投資を抑えながら、市場の反応を見極めることができます。 - 現地クリエイターによる熟知された訴求ポイントと市場
現地の言語で、現地の感覚で、現地の人々に響くコンテンツを日常的に実施している彼らは、どんな市場調査よりも価値のある「生きた情報」をもとにきちんとユーザーに届けるプロモーションが実現します。 - クリエイターが持つ信頼資産
人気クリエイターのフォロワーは単なるフォロワーではなく、そのクリエイターの熱狂的なファンもいます。そのためクリエイターが紹介する製品には、企業発信の投稿よりも自然と信頼性・説得感があり、「”そのクリエイターの紹介だから”購入する」というユーザーが一定数存在します。 - データドリブンで戦略を最適化
デジタルプラットフォーム上での活動は、すべて数値化され測定可能です。どのコンテンツが反応が良かったか、どの層にリーチできたか、すべてリアルタイムで把握し、戦略を調整できます。
4. なぜ今、日本メーカー/ブランドにクリエイターマーケティングが必要なのか?
世界的に急成長している今、日本メーカー/ブランドもまさにこのクリエイターマーケティングの活用がおすすめです。
円安という環境も追い風で、日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計月別推計値 月次報告 2025年9月推計値によると、2025年は9月までに過去最速で累計 3,000 万人を突破し、これまでにない訪日観光客の増加がみられます。
もともと世界中にファンが多い日本のゲーム/アニメカルチャーに加え、ラーメン、寿司、抹茶、コンビニフードなどの食料品、コスメ、文房具、アパレルなど認知されていなかった日本製品への魅力がSNSを通して広まりつつあります。
そのため多くの海外クリエイターは、まだ日本製品との協業経験が少なく、新しいパートナーシップに前向きであり、日本製品の価格競争力が国内で高まっている今、効果的なマーケティング戦略さえあれば、海外市場でのシェア拡大は十分可能です。
そして日本製品への信頼も依然として高いものがあり、品質へのこだわり、細部への配慮、独自の技術力、バリエーションの多さ、季節/エリア限定の商品などこだわりのある商品展開は外国人をも魅了します。
加えてデジタルツールの進化により、国境を越えたコラボレーションが以前より遥かに容易になりました。AI、オンラインミーティング、クラウドサービス、自動翻訳ツール。これらを活用すれば、物理的な距離はもはや障壁ではありません。
5.日本メーカー/ブランドの競争優位性を活かす
日本メーカーには、製品の品質とストーリー性というクリエイターマーケティングで活かせる独自の強みがあります。
日本の製造業は、職人気質や細部へのこだわり、代々受け継がれてきた伝統的な手法など強力なストーリーを持っています。これらはコンテンツとして非常に魅力的で、クリエイターが映像や記事で表現しやすい要素です。
技術革新への姿勢も強く、常に改良を重ね、お客様の声を反映させる日本メーカー/ブランドの姿勢は、クリエイターとの協業においても大きな価値を生みます。フィードバックを素早く製品に反映させることで、お客様との長期的なリレーションシップを築きます。この信頼関係を重視する姿勢はクリエイターとの継続的なパートナーシップにおいて大きな強みとなります。
6.海外展開をお考えの企業様へ
オリナスでは、海外展開を検討されている日本企業の皆様に向けて、以下のような包括的な支援サービスも提供しております
- 海外クリエイターとのマッチング: 各国の影響力のあるクリエイターとの戦略的パートナーシップ構築
- 市場調査・戦略立案: ターゲット市場の詳細分析と最適なアプローチ戦略の策定
- ブランド立ち上げ支援: 商品開発から販売チャネル構築まで一貫したサポート
- クロスボーダーマーケティング: 多言語・多文化対応のマーケティング戦略実行
クリエイターマーケティングは、日本メーカー/ブランドにとって海外展開の新しい手法のひとつで、従来の高コスト・高リスクなアプローチから、低コスト・低リスクで効果的なマーケティングが可能な時代へと変化しています。
海外展開やクリエイターマーケティングに関するご相談・お問い合わせは、お気軽にオリナスまでご連絡ください。


