- SNS支援オリナス TOP
- COLUMN
- 【2025年最新版】海外SNSマーケティング成功の秘訣|実践で使えるHOWTOとTIPS集
【2025年最新版】海外SNSマーケティング成功の秘訣|実践で使えるHOWTOとTIPS集

海外SNSマーケティングとは?2025年最新トレンド
オリナスではこれまで10年以上に渡りSNS領域であらゆる規模・業種のマーケティング支援に携わらせてきていただいておりますが、コロナ明けから「国内市場だけでは限界を感じている」「海外展開したいが、どこから手をつければいいかわからない」— こうした悩みを抱える企業担当者様の声が急増しているのを肌で感じます。
日本国内市場の縮小が続く中、グローバル市場でのSNS活用は新たな売上拡大の切り札として注目を集めており、2025年に入ってからはご相談いただく案件のうち50%以上が海外関連プロジェクトとなっており、インバウンド(訪日外国人)向けのSNSでのブランド・店舗の認知拡大施策や現地ユーザーへのいわゆる「旅前」訴求が中でもご相談の多い領域です。
海外SNSマーケティングは、日本企業が海外市場の開拓を目指すにあたり最も効果的かつスピーディに始められる手法の一つであり、費用面でもその他施策と比較してミニマムの予算から始めやすいといった特徴があります。
この記事では、これから海外向けのSNSマーケティングを検討・開始する企業の方向けに、世界のSNS市場や国・地域別の施策TIPSなど、実践的な内容をお伝えします。
またオリナスでは、企業様ごとに個別に状況やニーズをヒアリングさせていただいた上で海外マーケティングの戦略・戦術から施策までをご提案差し上げることも可能です。
この記事で触れられる内容は海外SNSマーケティングの中でもほんの一部の内容となるため、具体的に興味をお持ちの方はぜひ下記フォームよりお問い合わせください。
海外SNS市場のポテンシャル
まず押さえておきたいのは、海外SNS市場の圧倒的な成長ポテンシャルです。現在、世界人口の50%以上がSNSを利用し、そのうち25%が「商品探し」を目的として活用しています。これは単なる娯楽ツールではなく、購買行動に直結する重要なグローバルマーケティングチャネルへと進化していることを意味します。

特に注目すべきは東南アジア市場の動向です。この地域では平均して48.6%のユーザーがSNSでブランド・商品を探しているという調査結果があり、従来のマス広告やデジタル広告とは異なる、より身近で信頼性の高い情報源として認識されています。

日本企業が海外SNSマーケティングを始めるべき理由
一方で日本国内に目を向けると、総人口は14年連続減少(2024年:前年比-0.44%)という厳しい現実があります。これに対してアジア市場の実質GDP成長率は+4.9~5.4%という高成長を維持しており、企業にとって海外展開は「やった方が良い」選択肢から「やらなければ生き残れない」必須戦略へと変化しています。

インバウンド需要と海外SNSマーケティングの相乗効果
さらに見逃せないのが、インバウンド需要との相乗効果です。2024年の訪日外国人数は3,687万人(過去最高)、消費額は8.1兆円に達しており、これらの数字は海外向けSNSマーケティングの重要性を物語っています。
インバウンド向け施策においてオリナスが提唱するのは、以下の3段階で売上機会を最大化するアプローチです:
- 訪日前: 現地の文化・イベント・トレンド・言語にローカライズした上でのSNSを通じた認知拡大施策
- 訪日中: SNSでのUGC(ユーザー口コミ投稿)やキャンペーンなどでのユーザーの体験共有による購買促進
- 帰国後: (物販の場合)越境EC・グローバルECでの継続購入〜ファン化
- 現地でのブランド展開へ
この一連の流れを構築することで、単発の売上ではなく、長期的な顧客関係を築くことが可能になります。

海外向けSNSマーケティング媒体選定ガイド
海外展開を考える企業にとって、SNSマーケティングは必須の戦略です。でも、どのSNSを選べばいいかわからない…そんな悩みを解決するために、効果的な媒体選定のポイントをまとめました。
1. ターゲット市場をしっかり把握しよう
なぜ市場分析が重要?
海外向けSNSマーケティングの成功は、まずターゲット市場を深く理解することから始まります。日本で人気のSNSが海外でも同じように使われているとは限りません。
押さえるべきポイント
年齢層・性別 各国のSNS利用者の年齢層と性別分布を調べましょう。若年層向けの商品なら、その国でどのSNSが10代〜20代に人気かを知ることが大切です。
興味関心・ライフスタイル 文化的背景や価値観の違いは、SNSの使い方に大きく影響します。アジア圏では家族や友人との繋がりを重視し、欧米では個人のブランディングに重点を置く傾向があります。
消費行動 SNS経由での購買行動や口コミの影響力を理解することで、より効果的なマーケティング戦略を立てられます。
2. 地域別SNSプラットフォームの特徴を知ろう

主要地域のSNS事情
アメリカ Instagram、Facebook、TikTokが主流です。Instagramは視覚的なコンテンツが好まれ、TikTokは若年層に絶大な人気があります。クリエイティブなコンテンツで差別化を図りましょう。
中国 WeChat、Weibo、小紅書(RED)が中心です。WeChatは日常生活に欠かせないスーパーアプリ、Weiboは情報発信の場、小紅書は女性向けライフスタイル情報が豊富です。
東南アジア Facebook、Instagram、LINEが人気です。特にタイやインドネシアではFacebookの利用者が多く、LINEはタイで国民的なツールとして定着しています。
新興プラットフォームもチェック
各地域で新しいSNSが登場している場合があります。早期参入することで競合に差をつけられるチャンスです。
3. 目的に応じてSNSを選ぼう

認知拡大が目的の場合
TikTok 短時間で印象的なコンテンツを作れるTikTokは、ブランド認知拡大に最適です。バイラル性が高く、適切なハッシュタグを使えば短期間で大きなリーチを獲得できます。
Instagram 高品質な画像と動画でブランドの世界観を伝えられます。ストーリーズやリール機能を活用して、多様な形式でコンテンツ配信が可能です。
信頼構築・情報発信が目的の場合
Facebook 詳細な情報発信と継続的なコミュニケーションに適しています。長文投稿やリンク共有で専門性の高い情報を発信し、業界での権威性を確立できます。
LinkedIn B2Bマーケティングや専門職向けのコンテンツマーケティングに最適です。業界のトレンドや専門知識を共有することで、ビジネス機会の創出につなげられます。
ターゲット層別の選定
- 若年層向け:TikTok、Snapchat(真正性とクリエイティビティが重要)
- プロフェッショナル層向け:LinkedIn(専門知識やソートリーダーシップの発信)
4. 競合他社の動向をチェックしよう

競合他社がどのSNSを使って、どんな戦略を展開しているかを分析しましょう。
分析のポイント
コンテンツ分析 投稿内容、投稿頻度、エンゲージメント率を調べて、どんな内容が市場で評価されているかを把握します。
オーディエンス分析 競合のフォロワー属性や反応パターンを分析することで、市場全体のトレンドや消費者の嗜好を理解できます。
差別化戦略を立てる
競合分析の結果を基に、自社独自の価値提案を明確にしましょう。競合が使っていないプラットフォームでの先行参入や、独自性の高いコンテンツ戦略も効果的です。
5. 運用体制を整えよう
言語対応の重要性
現地の言語での情報発信は必須です。単純な翻訳ではなく、現地の文化や表現に配慮したローカライゼーションが必要です。
ネイティブスピーカーの活用 現地出身者やネイティブスピーカーをチームに加えることで、より自然で効果的なコミュニケーションが可能になります。
現地文化への理解
各国の文化的背景、宗教的配慮、政治的な状況を理解することで、不適切な表現や誤解を避けられます。現地の祝日やイベントに合わせたコンテンツ制作も重要です。
現地パートナーとの連携
現地の代理店やマーケティング会社と連携することで、市場に関する深い知識とネットワークを活用できます。市場トレンドの把握、インフルエンサーとのコネクション、規制対応などで大きな価値を提供してくれます。

地域・国別の海外SNSマーケティング攻略法:中国・アメリカ・東南アジア編
中国向けSNSマーケティング:独自エコシステムの攻略がカギ
中国SNSマーケティングで成功するには、まず「日本のSNSとは全く異なる独自のエコシステム」を理解することから始まります。FacebookやInstagramといったグローバルプラットフォームは利用できず、Weibo、WeChat、RED(小紅書)、抖音(Douyin)などの独自プラットフォームが主流となっています。
中国市場での効果的なKOL(インフルエンサー)活用戦略
この市場で特に重要なのがKOL(Key Opinion Leader)の活用戦略です。日本では「フォロワー数の多いインフルエンサーを起用すれば効果が出る」と考えがちですが、中国市場ではエンゲージメント率こそが成功の指標となります。
中国KOL施策での3つのポイント:
- フォロワー数よりもエンゲージメント率を重視
- マイクロインフルエンサーの方が高い購入率を実現する傾向
- 現地の美容観・健康観に精通しているかをチェックし本質的なローカライズを実施
中国市場でのライブコマース成功戦略
また、ライブコマースの活用も中国市場では欠かせません。2021年には約47兆円規模(Eコマース流通総額の15.1%)まで成長しています。ライブコマースの成功にも、KOLとのコラボレーション企画や限定商品や価格の設定、「独身の日」など中国のローカルイベントとの連動が重要要素となってきます。
中国に限らずですが、海外向けマーケティングにおいては日本国内の商品・ブランド・コンテンツをただ翻訳して発信していくのでは不十分で、その考え方はある意味「プロダクトアウト的」と言えます。そうではなく、現地の文化や目線から逆算で考え、必要によっては商品やコンテンツを独自に再設計するなど「マーケットイン」な発想が、海外マーケティングにおいては非常に重要です。
(ライブコマース施策についてはまた別途でコラム記事を後日公開予定です)

アメリカ向けSNSマーケティング:UGCとオーセンティシティ訴求が重要
アメリカ市場でのSNSマーケティングは、Instagram、TikTok、YouTube、Facebookという日本でもお馴染みのグローバルプラットフォームが主戦場となります。その意味では日本企業は国内マーケティングと同一のプラットフォーム上で展開できますので、着手しやすいと言えるかもしれません。北米市場でSNSマーケティングを展開する上で最も重要なのはUGC(User Generated Content)の活用と、オーセンティシティ(真正性)の追求です。
アメリカ市場で効果的なコンテンツ戦略
アメリカ市場で効果的なコンテンツタイプ:
- Before/After形式のレビュー動画
- 日常生活での使用シーンを撮影したコンテンツ
- 実際のユーザーによるリアルな体験談
- マイクロインフルエンサーによる継続的なレビュー

インフルエンサーマーケティングにおいても、メガインフルエンサーによる一回の大型キャンペーンよりも、マイクロインフルエンサーを複数起用した継続的なアプローチの方が効果的とされています。
特にTikTokなど動画マーケティングでは、ビデオファーストの戦略が必須です。静止画中心の投稿では、アルゴリズムによる表示優先度が下がり、期待したリーチを獲得できません。特にTikTokやInstagram Reelsでは、冒頭3秒でユーザーの関心を引きつけることが、その後のエンゲージメント全体を左右します。
東南アジア向けSNSマーケティング:圧倒的な若年層ユーザー数へのアプローチ
東南アジア市場の特徴:
- 平均年齢29.1歳の若年層中心
- SNSをコミュニケーション・購買の中心に活用
- エンターテイメント性重視のアプローチが効果的
東南アジア市場での推奨プラットフォーム
- TikTok、Instagram、Facebook
- Shopee Liveなどライブコマース機能
東南アジア市場での価格戦略
成功のための価格戦略:
- 「お得感」「コスパ」を前面に出した訴求
- 限定価格・セット割引・リピーター特典の活用
- 単純値下げではなく付加価値提供でブランド価値維持
海外SNSマーケティングに関するよくある質問(FAQ)
Q1: 海外SNSマーケティングの初期費用はどのくらいかかりますか?
A: 初期費用は市場や規模によって大きく異なりますが、小規模なテスト運用であれば月額20-30万円程度から始めることができます。インフルエンサー起用費、広告費、アカウント運用代行費などが主な費用項目となります。
Q2: どの地域・プラットフォームから始めるべきですか?
A: 自社商品の特性とターゲット顧客の所在地によって決めることが重要です。一概には言えませんが、例えば美容・ファッション系で中国市場を狙うのであればREDやWeibo、若年層向け商品でアジア圏を狙うのであればTikTokやInstagramがおすすめです。
Q3: 言語対応はどうすれば良いですか?
A: 現地のネイティブスピーカーまたは専門の翻訳者による対応が必須です。単純な翻訳ではなく、現地の文化や感覚に合わせた「ローカライゼーション」が重要となります。
Q4: 効果測定はどのように行えば良いですか?
A: エンゲージメント率、リーチ数、クリック率、コンバージョン率などの基本指標に加え、ブランド認知度やセンチメント分析など、施策の規模に合わせて定性的な指標も含めた総合的な評価が必要です。
Q5: 海外SNSマーケティングで失敗しないコツは?
A: 現地の文化を理解し、小規模なテスト運用から始めて段階的に拡大することです。また、SNSマーケティングと現地文化をよく理解したパートナーと連携し、継続的なデータ分析による改善が成功の鍵となります。
まとめ:海外SNSマーケティング成功への実践的ロードマップ
海外SNSマーケティングによる事業拡大は、もはや「余裕があったら挑戦する」ものではなく、グローバル競争で生き残るための必須戦略となっています。重要なのは、完璧を目指すことよりも、まず始めることです。小さな一歩から始めて、継続的な改善を重ねることで、やがて大きな成果へと繋がっていくはずです。
今回の記事では中国・アメリカ・東南アジアというメジャーな地域での媒体選定や傾向という基礎的な内容をまとめさせていただきましたが、海外マーケティングに関しては今後も記事をシリーズ化して、「ライブコマース編」「アフィリエイト編」などお伝えしていきますのでお楽しみに!
(補足)記事内に出てくる海外SNSマーケティング用語集
KOL(Key Opinion Leader): 影響力を持つインフルエンサー。単なる有名人ではなく、特定分野での専門性と信頼性を持つ人物を指す。
UGC(User Generated Content): ユーザーが自発的に作成・投稿するコンテンツ。企業の宣伝よりも信頼性が高いとされる。
エンゲージメント率: 投稿に対するユーザーの反応率。いいね、コメント、シェアなどの合計をフォロワー数で割った値。
ライブコマース: ライブ配信と電子商取引を組み合わせた販売手法。リアルタイムでの商品紹介と購入が可能。
オーセンティシティ: 真正性、本物らしさ。特にアメリカ市場で重視される、偽りのない自然な表現。
ローカライゼーション: 現地の文化、言語、習慣に合わせてコンテンツを調整すること。単純な翻訳を超えた現地化。
クロスボーダーEC: 国境を越えた電子商取引。海外SNSマーケティングで獲得した顧客への直接販売。
マイクロインフルエンサー: フォロワー数が1万〜10万人程度の中規模インフルエンサー。エンゲージメント率が高い傾向にある。